運に見放され、不名誉な状態におちいったときを示す、間欠明瞭な言葉がある。"レ・ミゼラブル"、つまり"ああ無情"という言葉である。
若い時期の苦労は、良い方向に作用すれば、意識は一生懸命がんばろうとするし、魂を高い目標へと向かわせる。貧困は物質的な生活の実態をあばき、その本来の価値をむき出しにする。そして理想的な生活とは何かという意識がめばえる。
世界には目を凝らせば、様々なコケや薬草や、灌木があり、書物にも32折もふくめて、何折もの造本があるわけで、物事にはいくつもの種類が並存しているのが普通なのにもかかわらず、世の中の人間たちが、民主主義だの、合法性だの、君主制だの、共和制だのといった、ただの主義主張の違いで、互いに憎しみ合っている事。
この世を一人に集約し、一人の人間を神として拡大すること、それが「愛」である。神はすべてのものにやどるが、すべてのものは神を隠す。万物は黒く、生きとし生けるものは不透明だ。愛するとは、相手を透明にすることなり。
進歩とは天使のまえから怪物が消え去り、宿命が「愛」のまえで消滅することだ。
魂の苦しみ比べれば、都市の混乱など、どうでもいいのではないだろうか?
人間というのは本質的に、些細なことで一喜一憂するものだ。
1人1人が他人のためにこうむる制限が同じことを「平等」と呼ぶ。
愛することとは、愚かだが、神が授けてくれた知恵の一つなのだ。
若者が登場し、老人が退場する。人生とはそんなものだ。
読者が今お読みの本書は、最初から最後まで全体を通じ、あらすじの末説も、休息部分も、補足部分も、さらに誤った部分さえも、悪から善に、悪から正義に、偽りから真に、夜から昼に、空腹から良心に、腐敗から誕生に、生から義務に、地獄から天国に、虚無から神に向かう旅を描いている。物質主義から始まり、魂にいたる旅。最初は怪物だったものが最後は天使に生まれ変わる物語なのである。
彼は眠る。 過酷な運命をたどり 彼は生きた。 天使を失い 亡くなった。自然の摂理のもとで 昼が来て 夜がくるように・・・
超有名な作品「レ・ミゼラブル」を初めてちゃんと読んで、メチャクチャ感動しました。ちなみに「ミゼラブル」とは「悲惨な人達」という意味です。そして、私はあまり文学作品は読まないのですが、文学者の言葉、表現は美しいものですね(^_^;)
「人は変われる!」私はそう思います。その為には「変わりたいという意識」と「変わらなければと思う出来事」が必要なんだと考えさせられました・・・なんてなんて、人を変えようなんて思っていないのに、そんなことを考えてしまう作品だったなぁ~なんて思う今日この頃です