哲学ブログ

差別心~ストレスの原因~

この国で「アメリカ人」と言えば、白人を意味する。他はすべて「よそ者」なのだ。・・・トニ・モリスン

 現代では人種差別がないように思うが、未だに黒人を差別する白人は多いらしい。人間には多少のストレスは必要であるが、ストレスが多いとおかしくなりやすい生き物である。しかし、ストレスが多くなりやすい人は多い。その中で私が思うに・・・

自分の理解できない人を差別する人はストレスが溜まりやすい!

と最近考えている。私自身の考えなので、特にデータ的なエビデンスは無いが・・・。

 ただ、人間の歴史は差別が当たり前であった。日本でも歴史的や日本神話的に「天皇は神の子」と言われているが、そもそも日本神話では日本人自体、言い換えれば日本人全員が神の子である。しかし、神の子と、人の子に分かれた。世界的にも奴隷制度があったり、肌の色で差別したり、差別制度は表ではなくなっても、人間の本能的な裏側には必ず差別心がある。

 差別は人間の世の常であり、差別をするように進化過程で脳に刷り込まれてきた自然的本能の一つである。しかし、差別はする方もされる方もストレスが溜まるものである。

では、なぜ差別する人はストレスが溜まりやすいか?というと、まず、自分より「格下」と思っている人(何をもって格下かは分からないが・・・)から、意見を言われると、それだけで腹を立てる人は多い。

 人気アニメの「ドラえもん」でジャイアンやスネ夫がいう超有名なセリフ・・・「のび太のくせに!!」・・・のび太君がなんか反抗的な事を言った時に、いわれるセリフである。これがもし、できすぎ君が言った時なら、ジャイアンやスネ夫は腹を立てない気がする。そう・・・人を差別すると、その差別している人が何を言っても腹が立つんだと思う。

 これは、学歴や仕事等にもあてはまる。学歴で人を差別する人は、能力に関係なく自分より学歴が低い人から意見を言われると怒りだす。また、自分の職業に誇りを持つのは良いことかもしれないが、プロ意識を持ちすぎて、素人からの意見があると腹が立ったり、職業に貴賤感覚がある人は、自分が格下と思っている職業の人の言葉が気に入らなくなる。

 そして、自分のしている仕事や働いている会社を見下している人は、会社の方針や仕事自体にストレスが溜まったりする。

 私は職業上色々な人の相談を受ける。人の批判をするのではなく、否定をする人の方が相談内容からそれて愚痴を言ってしまう人が多いと感じる。1概には言えないが、否定は差別の1種である。私は高齢者施設の相談員だが、人を否定する人は、高齢者の相談からまず自分の兄弟や他人の悪口に変わることがよくある。そして、利用している事業所や病院、施設等の悪口を言う。

 人を差別するとその人を嫌いになる。嫌いだから差別することもあるが、それは好みの問題もあるので、人それぞれである。ただ、人を差別し嫌いになる人は、「差別」や「嫌い」が目的となり、その人の良いことは見えず、悪いところを探そうとしていると感じる。

 確かに嫌いな人がいない人間はいない。差別しない人間もいないと思う。しかし、人間は嫌いな人とも関わらないといけない。仏教で言う人間が生きる上で避けられない苦しみの1つである「怨憎会苦」という、嫌いな人とも会わないといけない苦しみは必ずある。

 であれば、差別心を少しでもなくし、嫌いな人を少しでも少なくした方が、ストレスも少なくなり、下らない人生も、幾何かは面白くなるように思う。

差別のイメージ
  • この記事を書いた人

yu-sinkai

-哲学ブログ