哲学ブログ

VUCA時代~Try and Error~

最近では、今の時代をVUCA(ブーカ)時代と呼ぶ人もいる。

VUCAとは
Volatility(変動性)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧性)
と、これらの頭文字である。

もともとはアメリカの軍事用語として登場し2010年代からビジネス用語として広く使われるようになったらしい。また、VUCA時代から今ではBANI時代と言われることもあるらしいが、BANI時代はまた別で取り上げる。

変動性
世の中は常に変化していくものであるが産業革命以降、時代の変動が早くなり、IT革命以降にさらに変動が加速し、「今日是だったものが明日は非」とまではいかないが、私たちの社会は常に加速化した変動性を持っており、中々予測が立てづらい時代ということである。例えば、サブプライムローンによるリーマンショック、トランプ大統領の「関税問題」、日本の「令和米騒動」等、中々予測がつきにくい出来事が起こっている。

不確実性
高度成長期の日本は「終身雇用神話時代」等とも言われ、一流大学に入り一流企業に勤めたら一生安泰という考えや、公務員や銀行等の所謂お堅い仕事につければ一生安泰のような考えがあった。しかし、今の時代ではどの職業が確実という保証はない。もちろん公務員はつぶれることはないが、ある調査では国家公務員の精神疾患は増加傾向にあり、民間企業の3倍ほど高いという結果もある。また、病院や福祉施設もつぶれる時代であり、どう生きれば確実なのかは分からない。

複雑性
グローバル化の進展やAI等のIT革命な物、ライフスタイルの多様化や価値観の多様化等により、現代は今まで以上に多くの要素が絡み合い、複雑性を帯びていると言っても過言ではない。複雑であればあるほど物事の因果関係も難しく、簡単に「ああすればこうなる」とはいかない時代ともいえる。

曖昧性
変動性や複雑性が強まれば強まるほど、物事の状況や情報は不明瞭になる。特に超情報過多時代と言っても過言ではない現代では、どの情報が正しいか見極めるための情報リテラシーが必要になる。しかし、情報量が多すぎることもあり、何が正しいかもわからず、どう生きるのが正しいかもわかりにくく、常に正解が曖昧な時代とも言える。

なるほど・・・「VUCA時代」か・・・と思った。

しかし、よくよく考えると高度経済成長時代の方がおかしかったわけであり、規模は小さいが昔も「VUCA時代」であり、だからこそTry&Errorを人間は繰り返してきたのではないかと思う。

確かに情報過多や複雑性は現代の方が多い。しかし、例えば戦時中と戦後は社会が180度変わったと言っても過言ではない。江戸幕府から明治、明治から大正という時代も西洋文化が急激に入り、「VUCA時代」と言っても過言ではない。世界史的には産業革命以降は「VUCAの時代」と言っても過言ではない。

特に日本での大東亜戦争の戦前戦後は「VUCA時代」どころではない。今日「是」だったことが明日には「非」になる時代である。それなのに何故あえて今が「VUCA時代」なのか?と思うのであるが、日本では戦後の高度経済成長期には、「終身雇用神話」「一億総中流階級」「高学歴安定神話」等があったからではないか?とも思う。

江戸時代は「太平300年の世」と言わているが、そもそも太平の世の方が稀なのである。高度経済成長もある種の「人口ボーナス期」と「朝鮮戦争」が重なった結果ともいえる。もちろん、日本人が真面目で懸命な民族だったことは前提においてだが。

また、現代ではAIによって人間の仕事が奪われる等という話も出てるが、これもAIに限ったことではない。昔は算数や数学を「算術」と呼んでいた。そこに使われるのは「算盤(そろばん)」である。しかし、計算機によって算盤文化は不要になった。ここでも計算機に仕事を奪われた人もいるはずである。

人力車や馬車の時代は「自動車」という発明により淘汰された。そしてパソコンが普及したことにより、様々な人力での情報収集や計算もだいぶ楽になった。私はAIも同じようなものだと考えている。

何が言いたいかというと、現在はインターネットによる情報過多やAI等よる時代の発展、思想の自由による複雑性等から「VUCAの時代」と言われていると思う。その割には、様々なことに挑戦しない人が多いと思うが・・・

Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)・・・これtらのことは、今に始まったことではない。何故なら人間自体がそもそも「VUCA」であるからだ。「不変で、確実で、単純で、明確」な人間等存在しないからだ。

そして、人間は「VUCA」だからこそ様々のことを「Try and Error」で「朝鮮と失敗」を繰り返しながら、人間独自の進化や個人個人の進化をしてきたのである。

「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。」・・・チャールズ・ダーヴィン

人間は常に「VUCA時代」である。だからこそ「Try and Error」を繰り返す力が必要である。「成功」の対義語は「失敗」ではなく「無挑戦」である。何故なら失敗は成功に結び付くが、無挑戦は成功に結び付くことはないからである。

私個人の考えであるが、「Try and Error」は「VUCA」な人間に対する唯一の手法であり、人生を充実させる最高のスパイスである。

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yu-sinkai

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